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活動報告

一般社団法人魚沼青年会議所第37代理事長 大桃崇弘 理事長所信

一般社団法人魚沼青年会議所第37代理事長 大桃崇弘 理事長所信

  • はじめに
  •  本年で青年会議所が誕生して104年、一般社団法人魚沼青年会議所(旧 社団法人小出青年会議所)が創立して37年という月日が経ちました。一癖も二癖もあるこの団体がこれまで地域のために活動を続けてこられたのは先人達が試行錯誤の末に生み出してきた数々の仕組みにあったと私は考えます。日本青年会議所への出向は青年会議所という組織の仕組みや運営のやり方を習得できると共に、他の青年会議所の運動や活動状況を知ることができる貴重な機会でもあります。そして、他の青年会議所の現状を知ることは新たな事業を考えつくための糸口となるだけでなく適度な緊張感を与えてくれます。また、自分達の手で予算組みを行い組織を運営していく事は経営者として必要な学びを与えてくれるだけでなく、予算の使い道を厳しく精査するようになり、その結果ひとつひとつの事業に真剣に取り組むようになります。1年という短い任期で役職が変わることで、組織の新陳代謝が活発になり、青年達に様々な学びの機会を与えることができるだけでなく、時代に合わせて組織を変化させることができます。これらの脈々と受け継がれてきた青年会議所独自の仕組みは負担として見られることもありますが、自身の成長や組織の成長につながってきたからこそ、長年に渡り受け継がれてきたのだと考えています。
     私は2015年1月に青年会議所に入会して、青年会議所で様々な経験をさせていただきました。そして本年、魚沼青年会議所の理事長という大役をお預かりすることになりました。これから1年、今まで受け継がれてきた素晴らしい仕組みを活かしつつ、会員達がこれまで以上に効果的な運動と活動に取り組めるように時代に合わせた新たな仕組みの導入や会員間の連携を強化し、この地域の人々が活き活きと暮らせる社会を目指して魚沼青年会議所を牽引していきます。

  • 地域活性化
  •  地域の活性化とは何でしょうか。地域の活性化の話をする時にはよく”地域経済の活性化”に結び付けられて語られることが多くあります。しかし、地域の活性化と地域経済の活性化をそのまま等しく考えて良いのでしょうか? 日本は世界各国と比較すれば経済的に豊かな国であると言えます。しかし幸福度調査の結果では、日本は世界で54位という決して高く無い結果が出ています。私は、人の幸せとは経済的に豊かになることと同じではないと考えます。では、私たち青年会議所が地域活性化のためにやるべきこととは何なのでしょうか? それは地域の課題を深く掘り下げ、若者の視点と行動力で新たな発想を持って地域の課題を解決していくことだと思います。それを個人ではなく組織で行えることが青年会議所の強みであり、この組織の責務でもあります。仮説を立て実行し、検証して改善する。このPDCAを会社や自治体という枠を越えて、JC三信条である修練・奉仕・友情に基づいて行えることが青年会議所の最大の利点であると言えます。地域の活性化のための事業というのはとても成果が見えづらく根気が必要なものですが、明確な目的を持ち、本質を突いた事業をおこなえばきっと地域の課題を少しでも解決できると考えています。

  • 会員の資質向上
  •  私は青年会議所で多くの成長の機会を与えていただいたことで、様々な学びを得ることができました。しかし、成長の機会を活かすためには、変化を恐れないこと、先人の助言を素直に受け入れること、挑戦する気持ちを持ち続けること、この三つの気持ちが揃い、学びを受け入れる姿勢が整っていることが大切だと私は考えます。変化を恐れて現状のまま留まってしまっては、年々増え続ける重責に押しつぶされかねません。地域や会社を率いていく者として、私達は成長し、得た学びを後輩に受け継いでいかなければなりません。人を正しく導くことは多大な労力を要します。多くのことを教えてくれる師と出会えたことは至上の幸福です。ただし、教えを請う側も教えてもらうことを待っているだけでは、学びを受け入れる姿勢とは言えません。新たな学びの機会があれば、自ら進んで挑戦し、多くの体験をすることが成長への近道だと私は考えます。今のあなたの時間の使い方は最良でしょうか? 一生懸命やっていても、今のやり方が最良とは限りません。もし今あなたが自分のやり方に限界を感じているのなら、やり方を変えてみることできっと状況は変わります。目的を達成するための道は無限にあるのです。

  • 青少年の育成
  •  私は子ども達にも多くの体験をしてもらいたいと考えています。理想の青少年育成とは、答えを教えることではなく、子ども達に様々な体験をさせ、子ども達の力で答えに辿り着くことだと考えています。大人はそのための環境と機会を用意するだけで良いのです。私が懸念しているのは自ら挑戦する若者が減っているのではないかと言うことです。怪我をしない遊び、不自由のない生活、理想を押し付けて失敗を責める社会、それらが若者の挑戦しようという気持ちを減退させ、成長を阻害し、社会的にも鬱積した思いが積もっているのではないでしょうか。本年度、私達は子ども達や若者に多くの体験の場を提供し、多くの失敗と成功を体験してもらいたいと考えています。勝つ体験の無い子どもは勝ち方がわかりません。敗北ばかり体験した子どもはやる気を持てません。失敗だけでなく、成功も体験することで、執念と粘り強さを持った大人に成長してもらえると私は考えています。彼らと共に事業を行うことで若者が持つ柔軟性や素直さに会員が感化され、会員自身の成長にも繋がると信じています。そして、地域の先導者としてこの地域を強く牽引してくれる人財となるのではないでしょうか。

  • 会員拡大について
  •  青年会議所の会員達は、各々が様々な理由で入会します。自身の成長、会社の成長、地域貢献のため、仲間を作るため、子ども達の未来のため、理由はなくとも親しい友人に誘われて入会を決めた人も居ます。しかし、入会理由はなんだって良いのです。
    私は、青年会議所に入会する以前は何も無い人間でした。何も持たず、この地域のために何もしてこなかった私ですが、この地域のために何かできないか、何かしたいという想いはありました。漠然として何をしたら良いのかわからない私に様々な体験をさせてくれたのが青年会議所でした。ありきたりな言葉ですが、青年会議所に入会していなければ、今の私の家庭と仕事はなかったと断言できます。
     冒頭に書いた入会理由と同じように、入会対象者を誘う際に様々な理由を伝えますが、私達があなたを仲間に誘うのは、きっとあなた自身の成長に繋がると信じて声をかけています。お金と時間を引き換えに青年会議所で得られるものにどれだけの価値を感じるのかは人それぞれです。しかしそれも物の見かたと考え方で大きく変わると思います。ぜひ、親しい友人に誘われた人は自身の成長の機会だと考え、試しに入ってみて下さい。色々な集まりに参加してみて下さい。少し挑戦して普段できない体験をしてみることが人生の成長に繋がると私は信じています。

  • おわりに
  •  ここまで私の体験を交えて、考えを書き述べてきました。しかし、各々の考えや迷いもあるかと思います。納得できないこともあるかもしれません。しかし、考えたり迷ったりしているだけで脳は疲れてしまいます。考えるのはやめてまずは実行してみましょう。きっと新たな発見があります。失敗し、苦しみ、己の力が及ばず涙するときもあるかもしれません。しかしそれでも気心の知れた仲間達が支えてくれます。失敗を許してくれます。

     今年度の当会議所の理念を表す言葉としてスローガンに決めた「BE WATER」とは、会員たちに謙虚に学びを受け入れ、あらゆる形に姿を変え、それでも愚直に前進し挑戦し続ける。そして得られた自らの経験を分け与えて他者の成長の糧にする。そのような人に成長してもらいたいという思いが入っています。

    今年度、私達はたくさんの失敗とそれ以上の挑戦をして、組織としても人間としても一皮むけます。そして成長した沢山の会員達がこの地域を明るく照らし、この地域に住む人々も幸せにしてくれると私は信じています。

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